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こんな疑問を解決できる記事を書きました。
この記事では、国内企業で働いている会社員が海外赴任になった時の給料、手当、福利厚生などの待遇について、一部上場企業の会社員としてベトナムに赴任している筆者が解説します。
この記事はこんな方に向けて書いています。
- 海外赴任を目指している人
- 海外赴任をする予定の人
- 海外赴任をしたらどのような待遇を受けられるのか知りたい人
Contents
結論
最初に結論です。
- 赴任準備費用、現地での税金、住宅費、子供の学費は会社負担。
- 非居住者になるので日本の住民税・所得税は納税不要
- 一時帰国、買い出し休暇(ハードシップ国の場合)の制度あり。
- 給料の手取り総額は2、3割増だが、住宅費が会社負担なので生活実感は5割増(ベトナムの場合)
それでは解説していきます。
赴任前のコストと手当
会社から赴任の内示を受けることが、最初のステップになるでしょう。
会社によって、前々から知らされている場合、全く知らされておらず当日に正式な内示を突然言われる場合、様々かと思います。
ここから実際の赴任に向けて準備が始まります。
大まかにいうと以下の準備が必要です。
- 現部署の仕事の引き継ぎ
- 赴任先のビザ、労働許可取得
- 引越し
「① 現部署の仕事の引き継ぎ」は会社によって様々なので解説は割愛します。
「② 赴任先のビザ、労働許可取得」は赴任先の国によって異なります。
ベトナムの場合は、大学の卒業証明書、パスポート公証、健康診断書など色々提出させられました・・・
通常は会社の人事部がサポートしてくれるので、指示に従えば問題ないはずです。
もちろん、書類取得にかかる各種費用は会社負担です。
「③ 引越し」も必要です。
引越し費用
- 引越し費用は会社が実費負担
- 赴任先や職階、家族帯同有無によって会社が負担してくれる荷物の重量が決まる
- 船便と航空便を併用する。船便の方が安いが時間がかかる。
海外赴任の際には、日本で物を買い込んでおいたり、不要な物を処分したり何かと入り用です。
このために引越し費用の実費に加えて、赴任準備金の支給もあります。
赴任準備金
- 赴任前の準備費用と赴任後の生活費用
- 基本給の1ヶ月分くらい
あとは赴任先の現地語を学習するために、語学学校の費用も支給されたりします。
ちなみに持ち家がある人はどうするのでしょうか?
持ち家をどうするか?
持ち家を社宅利用する選択肢を提供してくれる会社もあるようですが、そうでない場合は自分で検討する必要があります。
大抵の場合は住宅ローンが残っているでしょうから、以下の選択肢のいずれかを取ることになります。
- 売却する
- 賃貸する
- そのまま
持ち家を売却すると、ローン返済がなくなるため赴任中のランニングコストを無くすことができます。
赴任中にお金を貯めて帰国後に再購入する予定、かつ現ローン残債以上の価格で売却できる見込みがある場合にこの選択肢が取られる傾向があります。
持ち家を賃貸すると、赴任中のローン返済を賃貸収入で相殺できますが、帰国した際に住みたい場合は借りている人に出ていってもらう必要があります。
そのままにしておくと帰国後すぐに再入居できますが、赴任中もローン返済が必要なので出品がかさみます。
持ち家をどうするかは家庭の資産状況に大きく影響を与えますので、現状だけでなく長期的なプランを考えた上で慎重に決める必要があります。
各選択肢のメリットとデメリットをまとめておきます。
選択肢 | メリット | デメリット |
---|---|---|
売却する |
|
|
賃貸する |
|
|
そのまま |
|
|
海外赴任者の給与と手当
まずは給与について。
赴任時の給与
給与は、「国内給与」と「海外給与」がそれぞれ支給されます。
国内給与:円で支給
海外給与:現地通貨で支給
各給与の算定基準は会社によってまちまちですが、現地の物価水準が一つの指標になっています。
ちなみに、現地の生活困難度(=ハードシップ)はあとで説明するハードシップ手当として別途考慮されています。
赴任時の手当
ここでは赴任時の手当について解説します。
ハードシップ手当:現地の生活困難度に応じて支給
住宅費:現地で賃貸する住居の賃料
子供の学費
ハードシップ手当
ハードシップ手当は赴任先が発展途上国の場合に支給されます。
なので欧米などの先進国の場合は基本無し。
東南アジアであれば、シンガポールは支給無しですが、ベトナム、フィリピン、タイなど他の国は大抵が支給対象です。
国によってハードシップ度が定められており、生活の困難さに応じて手当てが支払われます。
ベトナムは治安はかなり良いのですが、医療事情が未発達なので中レベルのハードシップ度が設定されています。
普段生活する分にはそれほど困難さを感じないので、「おいしい」赴任先と言えると思います笑
住宅費
赴任して住む場所の賃料は会社が負担してくれます。
東南アジアであれば、サービスアパートに住むのが一般的です。
一般的なサービスアパート
- ホテルサービスがついたコンドミニアムのイメージ
- 清掃、シーツ交換(週3−5回)
- 家具付き
- ジム・プール付き
正直、日本ではとても住めないような広さ、設備のアパートに住むことができます。
これこそが東南アジア赴任の醍醐味!と思っています。
子供の学費
子供の学費も会社負担してくれますが、上限無制限とはいかないようです。
日本人学校なら通わせられるが、インターナショナルスクールだと足が出るようなレベル感の会社が多いようです。
でも折角なので子供に英語教育をということで、それでもインターナショナルスクールに行かせる意識の高い親御さんも多いのは事実です。
赴任中の福利厚生
赴任中の福利厚生について解説します。
主に以下のような福利厚生があります。
一時帰国
買出し休暇
日本食送付
それでは、一つずつ解説していきます。
一時帰国
赴任中に日本へ一時帰国するための費用は会社が負担してくれます。
回数はハードシップ度に応じて決められており、先進国の場合は2年に1回くらいです。
筆者が赴任しているベトナムの場合は年に2回も帰れます。
距離も近く、時差も少ないので東南アジア赴任の場合は、日本へはかなり帰国しやすいと言えます。
買出し休暇
ハードシップ手当が支給される国へ赴任している場合に、近隣の先進国にリフレッシュと買い出しを兼ねた休暇の取得とその旅費を負担してくれる制度です。
ベトナムの場合は、シンガポールや香港を対象に年1、2回取得することができます。
日本食送付
日本から日本食を送付してもらう場合に、その送料を会社が負担してくれる制度です。
大抵は会社が契約しているサービス会社を経由して発注することになります。
同じ制度を使用して日本から本を送ってもらうこともできます。
税金・社会保険
税金や社会保険はどうなるのでしょうか?
赴任する場合は、日本の「非居住者」という扱いになります。
その前提で日本と赴任先にわけて解説します。
日本の税金と社会保険料
まずは日本の税金です。
所得税、住民税それぞれ解説していきます。
所得税
- 1月から12月まで、日本の居住者として得た所得に応じて課税
赴任後は非居住者ですので、それまでに得た所得に対して会社が源泉徴収、年末調整してくれるのであまり気にする必要はないかもしれません。
住民税はどうでしょう?
住民税も会社が源泉徴収という意味では所得税と同じなのですが、赴任日によって納付額が大きく変わります。
住民税
- 1月1日に日本に居住している場合、同じ年の6月から翌年5月まで納付
ということは、赴任してから最初の1月1日が過ぎて、その年の6月以降から納税不要となります。
例をあげておきます。
赴任日が2019年12月31日 → 2020年6月から住民税納付が不要
赴任日が2020年1月1日 → 2021年6月から住民税納付が不要
たった一日赴任日が違うだけで1年間も住民税納付期間が変わるんです・・・
逆に帰任日はこうなります。
帰任日が2019年12月31日 → 2020年6月から住民税納付
帰任日が2020年1月1日 → 2021年6月から住民税納付
なので、一月一日直前に赴任して、直後に帰任するのがベストですね。
社会保険料はどうでしょう?
社会保険料
- 赴任前と同じ
そう、赴任前と同じように厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料、雇用保険料は給与から源泉徴収されます。
なので年金支給額にも当然カウントされますし、一時帰国時の診療に健康保険を使うことも可能です。
赴任先の税金と社会保険料
赴任先の国によって、税金と社会保険料の制度は異なりますが・・・
赴任先の税金と社会保険料
- 全額会社負担
そう!全額会社負担です!
国によって税制や社会保険の制度は全く違うので、赴任先によって不公平感が出ないように全額会社負担します。
ちなみに現地での医療費も会社が全額負担してくれます。
結局のところ収入はどう変わる?
赴任すると給与体系が変わるし、色々な手当があるのはわかったけれども、結局全体として収入はどう変わるのでしょうか?
赴任前と比較した場合の収入の変動要素は以下の様になります。
- 国内給与一本だったのが、国内給与(円)+現地給与(現地通貨)になる
- ハードシップ国の場合、ハードシップ手当が支給される
- 日本の税金は納税不要、赴任先の税金も全額会社負担
筆者の場合はベトナムに赴任していますが、国内給与+海外給与+ハードシップ合計で、
赴任前の手取りの2、3割増くらい
でした。
ただ、住宅費がかからないのと、現地物価が低いことを加味すると、生活実感としては
日本にいた頃の収入の5割増くらい
になった感覚です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
海外赴任をしたら様々な待遇を受けられることに驚かれたかもしれません。
それでは、最後にもう一度ポイントを確認しましょう。
- 赴任準備費用、現地での税金、住宅費、子供の学費は会社負担。
- 非居住者になるので日本の住民税・所得税は納税不要
- 一時帰国、買い出し休暇(ハードシップ国の場合)の制度あり。
- 給料の手取り総額は2、3割増だが、住宅費が会社負担なので生活実感は5割増(ベトナムの場合)